2008年10月3日金曜日

龍山寺




 古いものと新しいものが渾然一体となっているのが、台湾の魅力だと言ってもいいし、わたくし自身にとって、何が新しいものであり、何が古いものなのかを気付かせてくれるのが台湾の魅力だといってもいいと思います。


 2007年9月3日、龍山寺に初めて足を踏み入れました。台湾で寺院では、老若男女を問わず、人びとが常に熱心に祈っていますよね。今でも、若い人たちが細長い線香を手に祈る姿は新鮮で、そのような姿を日常的に見ることのできない私にとっては、今もって珍しいと感じられる姿です。


 龍山寺でさらに新鮮だったのは、見る角度によっては、近代的なビルディングに囲い込まれているような錯覚に陥ること。さらに、そのビルディングを包む全面鏡張りのような窓には、一昔前は最先端であったであろうビルディングのその古ぼけた姿を見せています。私のなかでは、寺院や寺院で祈る人びとの姿は古いものと感じられ、近代的なビル群には新しさを、古ぼけたビルには自らと同じ位置関係を感じられているということなのだと思います。


 龍山寺に足を踏み入れ、祈る人びとの姿をカメラに収めようと試行錯誤するうちに、新旧に対する自らの受け止め方を再確認させられることになりました。

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