2009年9月24日木曜日

バスの切符


 大溪駅の硬券と同じように、アナログで、グローバル化されていないものが、このバスの切符です。

 2009年09月05日。台南県麻豆鎮にある「一商前」というバス停から臺南へ戻るときのものです。74元。切符は、バス停前の雑貨店で扱っています。
 バスの切符は、列車に比べると、手でちぎり売りしたりしているところが珍しくなり、アナログな世界が残っているような気もします。それでも、バスの車内で切符を求めると、ぺらぺらの紙に印刷された味気ない切符がぺろりと出てくるのが主流でしょうか。
 それにしても、この切符。刷ってある活字といい、てんでに押されたスタンプといい、手作りな風情がいいですね。

硬券

 大溪駅で臺北までの切符を求めると、硬券が出てきました。2009年09月07日。

 台湾では何度も列車に乗っていますが、硬券にお目に掛かったのは初めてです。列車のことはもともと興味がありますが、なんともアナログなところに好感を覚えます。グローバル化されていない世界がここにもあったのかという感じです。


 大溪発1245、臺北着1418。104元。またしても、区間車です。列車には、魚かなにかを入れていたであろう籠を持った人たちが乗っていたりして、海沿いのローカル線らしい光景にも出会いました。

大溪駅

 山深い感じが、気持ちよかったです。2009年09月07日。

区間車

 大溪へは列車を利用したわけですが、蘇澳から各駅停車に乗りました。台湾風に表現すると「区間車」ですね。2009年9月7日のことですが、蘇澳発1024、大溪着1129着。72元。1時間という所要時間が長いか短いかはなんとも言えないところですが、北東部の海をゆっくり眺めているうちに、すぐ着いてしまったというのが私の記憶です。


 宜蘭県といえば、雪山トンネルが開通して以来、臺北から行くならもっぱらバスという印象になりました。海岸線を大回りしていく列車は、速いとは言いがたいスピードで走り、比べてみると、バスのほうが速いという印象があります。


 しかも、蘇澳の駅は、幹線からちょっとだけはみ出したような構造で、臺北と花蓮や台東を結ぶ列車は立ち寄りません。こうした列車に乗るには、1つ手前の蘇澳新駅へ出なければならないのです。だからだと思うのですが、蘇澳へ来る列車、とりわけ、自強號などの速い列車が減っているような気がします。


 こういう不便さは住んでいる人には困ったことでしょう。旅行者である私は、楽しかったとか、景色がきれいだったとかそういうことによって、不便さを快適さに変換できるわけですが、生活者ではない者だからこそできる「変換」だといえます。


 八重山へ来る観光客も同じようなことを考えているのかな。

自転車屋


 石垣島は今日も良い天気。2009年09月24日。
 よく世話になっている自転車屋に寄りました。近くの床屋へ行ったついでです。圧搾空気でプシュッと簡単に空気を入れさせてもらえるお店です。もちろん、それだけでなく、アフターケアもばっちりです。いつも頼りにしている自転車屋さん。
 圧搾空気でプシュッと、というのは、店先でだれでも自由に、店主がいないときでさえ自由にさせてもらえるようになっていたので、今日も「空気、入れさせてもらいます」と一言告げて、入れさせてもらおうとしたところ、「壊されたから、外には出してない」と店主さん。バルブの部分が壊される“事件”があり、ここ1週間ほど、圧搾空気の道具を店内に置いているとのこと。金属製のバルブが折れるほどの力がかかったということは、どうやら、車に踏まれたらしいとのこと。
 なんとも、悲しいできごと。
 でも、店主のアフターケアは今日もこれまでと変わることはなく、私は1円も払うことはないのに、タイヤをつかんで空気圧を確かめたり、自転車のあちこちに油を差したりといったサービスをしてくださいました。
 ありがたいことです。

2009年9月23日水曜日

亀山2



 大溪漁港まで残りわずかというところで撮影した住所の表示板。このイラストはきっと亀山を表しているのでしょうね。亀山は陸地の東側に浮かんでいるので、日の出も望めるのでしょう。実際の景色はどんなものなのでしょうか。見てみたいものです。2009年09月07日。

亀山



 大溪駅から大溪漁港までは、歩けば10分か15分ぐらい。省道2号線を行けば間違いはありませんが、車の往来が激しくて、歩くのに快適とはいえません。一歩海側に寄ると、海岸線に沿って進むことができ、ここは快適です。


 平べったい船が漁をしていました。後方は亀山です。2009年09月07日。


 気持ちのいい天気でしたが、大溪に11時半ごろに到着したあと、再び、12時45分の列車に乗るというスケジュールだったので、そうそうゆっくりもしていられなかったのです。次回はもっと余裕をもって来たいものです。

大溪港




 大溪漁港です。2009年09月07日。港の防波堤には「大溪老港」と書かれているので、現在はメインからサブの役割に移った部分なのかもしれません。遠くにかすんで見えるのは亀山です。
 大溪漁港を訪れたのは蚵仔煎を食べるためではなく、別の理由があります。それは、大溪漁港がの南方澳漁港(宜蘭県蘇澳鎮)と関連していることが分かったためで、せっかくだから足を運んでみたいと思ったというわけです。

 1932(昭和7)年に作成された「台北州協議会通常会諮問案」という資料では、大溪漁港の必要性を3点挙げており、そのうちの1つに「蘇澳及基隆漁港の避難、寄港地としての漁港の必要」とあります。この時期、すでに南方澳漁港は完成していましたが、この「諮問案」が出されるまでの間にどのような漁業被害が起こっていたのか興味深いところです。
 一方、台湾で発行されている『台灣漁港圖鑑』(李嘉亮著,2005年)によれば、大溪に港があることは1928(昭和3)年発行の『台灣の港灣』ですでに取り上げられているそうです。
 大溪漁港が現在の形になるまで、どのような変遷をたどってきたのかさらに調べてみる必要がありそうです。

2009年9月22日火曜日

蚵仔煎2




 せっかく名前を覚えたので、宜蘭県頭城鎮の大溪漁港を訪れたときにも、蚵仔煎を頼んでみました。2009年09月07日。こちらは40元。臺南の安平古堡蚵仔煎より10元安かったけど、この差は何かな。安平古堡蚵仔煎では、器全体をビニールで覆ってから、そのうえに料理を載せる方法で衛生管理をしていたけど、その差かな。量と味は、甲乙付け難しでした。
 大溪漁港は、省道2號から坂を下るようにしていくのですが、この坂道は海産物を売ったり、小吃を食べさせたり店が並んでいて、私はその1つで軽く昼食をすることにしたというわけ。店の名前はよく分からなかったけど、PR用の横断幕には「宜蘭伝統小吃」とあって、食べ物の名が3つ挙げられており、そこには「蚵仔煎」の文字もありました。

蚵仔煎







 台湾ではカキが庶民の味だということを今回、初めて知りました。しかも、その食べ方は「蚵仔煎」という卵とじ風の料理が主流なんだそうですね。


 私の場合は、カキといえば、やはり、カキフライでしょうか。殻の上に乗ったカキに酢を掛け、殻に口を付けて飲み込むように食べるのももちろんおいしいです。6月に広島で食べてきましたが、これはかなり久々でした。


 写真の蚵仔煎は「安平古堡蚵仔煎」(台湾・台南市效忠街85號)で。50元でした。2009年09月04日。食べ進むうちに、表面のかりっとしたところと、とろりとしたカキがうまく混ざり合って、飽きの来ない歯ごたえでした。飾り気のない食べ物です。

 お店は、安平天后宮に隣接しています。ただ、安平天后宮が面している安平路という大通りから、天后宮に沿うようにして、少し奥へ入ったところにあるので、その点は若干分かりにくい。店にたどり着くまでに、蚵仔煎を食べさせる別の店があったしもするので、間違えそう。しかし、そういうところも、蚵仔煎 がいかに人々の舌になじんでいるかと感じさせます。食べ比べも楽しそうです。